好奇心マイスター

ワインとグルメと投資のブログ

【株式投資】注目のジャクソンホール会議 3つのポイント

市場関係者、機関投資家だけでなく世界中の個人投資家たちも注目する「ジャクソンホール会議」のパウエルFRB議長の講演が終わりました。ポイントを3つに絞りお伝えします。

  1. そもそもジャクソンホール会議とは
  2. 直近の経済の動き
  3. パウエルFRB議長講演 3つのポイント

 

そもそもジャクソンホール会議とは

 世界中の中央銀行総裁や財務大臣、学者や金融市場関係者が、一同に会する年に1回開催されるシンポジウムが「ジャクソンホール会議」です。アメリワイオミング州ジャクソンホールで開催されることから、そう呼ばれるようになりました。

 

 G7やG20などの国際会議もありますが、世界中の金融トップたちが筋書きなしで議論を交わすのは珍しく、金融政策が極めてハイレベルの意見交換がなされる場なのです。今回、日本からは日銀の黒田総裁が参加されています。

 

 全世界から注目される理由は、なんといってもFRB議長の講演です。過去何度も株式市場に大きな影響を与えた発言があったため注目されています。2010年は当時のFRBバーナンキ議長が、アメリカ経済を立て直すため「量的緩和」に踏み切ることを示唆して、株価上昇しました。2014年は当時ヨーロッパ中央銀行のドラギ総裁が、一段の金融緩和を示唆などなど。今後の金融政策を方向づける重要なメッセージを発する場として、多くの関係者たちが認識しているのです。

 

 株式市場は、よく美人コンテストに例えられます。自分が一番美しいと思っている人が必ず1位になるとは限りません。みんなが一番美人だと思ってる人が1位になるのです。この「みんなが1位になると思ってる人」を当てることが、株式投資と似てる部分です。株式投資もみんながどう思うかを認識することが大事なんです。なので、市場関係者がどう認識するかを知る場としてもジャクソンホールの中身や、市場の受け止め方をみておくことが重要だと思います。

 

直近の経済の動き

 毎年、注目されるジャクソンホール会議ですが、2022年は特に注目されています。それは、インフレが加速し、インフレ退治のために米FRBはどんな金融政策をとっていくのか、今一度FRB議長の発言を確認したいからだと思います。

 

 今一度と申し上げたのは、FRBは年に8回のFOMCFRBの会合)を行いますが、直近の7月FOMCでも「インフレ退治」はFRBの大事な役目であることを発表していました。インフレを退治するFRBの方法は、「利上げ」です。金融引き締めです。

 

 一般的に、金利が高くなると経済が冷え込むと言われています。住宅ローン金利が高くなって住宅買い控えがおきたり、企業も高い金利を払って銀行からお金を借りて投資をしなくなるため売り上げが上がりづらくなるなど、景気に悪影響を与えることが多いのです。つまり、景気を悪化させて、需要を減らし、インフレを退治するのです。企業業績が悪化すると、当然株式市場も下落します。

 

 2022年に入り、6月頃までインフレ退治の金融引き締めで、株式市場は大きく下落しました。ところが、7月半ばくらいから「景気が悪くなるならFRB金融引き締めも早々に終わるのではないか」 「金利が上げどまってきた」 「インフレ低下の傾向が見られるなど」の理由から株式市場は楽観ムードとなり、上昇してきました。

 

 このことに、FRB高官たちは市場は楽観すぎる趣旨の発言で、市場にクギを刺してきました。8月はFOMCがありません。その中で、FRB議長の発言は、今後の金融政策を占う上でとても重要な位置付けにあると関係者が注目しているのです。

 

パウエルFRB議長講演 3つのポイント

日本時間今朝方(2022年8月27日)のパウエルFRB議長の講演内容について、3つにポイントを絞りお伝えしたいと思います。

 

◇インフレ低下を確信するのは程遠い

 直近7月にCPI上昇が鈍化したことを受けての解釈として、鈍化したとしつつも8.5%という数値はFRBの目指すインフレ率2%に比べて以前として高いと認識していると表明したものと思います。

 

◇痛みを伴ってもインフレ退治する

 景気の冷え込みや労働市場が悪化したとしても、インフレ退治を優先的に対処するとの改めての意思表示と思います。インフレが悪化していくと対処しきれなく恐れがあるからです。そうすると景気どうこうではなく、国民生活の安定が損なわれます。だからこそ、多少の痛みを伴ってもインフレ退治に立ち向かうことを改めて表明しています。

 

◇インフレ退治する断固たる姿勢

 歴史的に見てもインフレ対策を継続することが大事であることから、「やり遂げるまでやり続けなければならない」と断固たる姿勢を表明しました。

 

まとめ

 パウエルFRB議長の発言は、これまで発言してきたことの延長線上で、新たな発言はなかったように思います。あらためてインフレ退治に対し注力すると表明した形です。これを受けて、米株式市場は大きく下落しました。金利引き下げは思ってるよりも先にある、景気は悪化する可能性があると、7月の楽観ムードが終わったような1日になったと思います。