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円安加速!

 ドル円が一時、145円を突破しました。約24年ぶりの円安です。2022年初頭で114円だったので、わずか9ヶ月で30円の円安。驚異的な円安です。円安について、あらためて整理したいと思います。

 

今日学べること

  • 円安になるとどうなるか
  • 円安の原因
  • 今後の展開

 

円安になるとどうなるか

 ドルに対して円の通貨価値が安くなることが円安ですので、海外製品を買う(輸入する時)にたくさんの円を支払わなければならなくなります。

 わかりやすく、ドル円が100円(2021年初頭)の時、100ドルの海外製品を買おうと思ったら、10,000円必要になります。それが今のドル円145円だと、14,500円必要になります。この1年半でざっくり1.5倍支払う必要があるということですね。日本人が海外製品を日本で買う場合、当然円で買い物する訳ですから、製品には円安分加味されての価格になっています。

 くわえて、アメリカではインフレが進み、物価そのものが高くなってきています。日本よりも圧倒的に。日本人からすると、円安で支払うお金の量が増え、製品そのものも値上がりしてるのでダブルパンチです。iphoneが値上がりするのは、円安も影響しているのです。

 日本は資源のない国なので、発電するための石油や天然ガスを輸入に頼っています。食物の自給率も低く、多くの食料を輸入に頼っています。これらを輸入するには、基軸通貨であるドルで諸外国と貿易することになるので、当然輸入価格は上がってきています。

 日本企業が製品を作る際のコストも上昇していて、製品への価格転嫁、つまり値上げが加速している状況です。

 

 では、円安は「悪」なのかというと、必ずしもそんなこともないのです。それは、日本は輸出大国でもあるからです。ほんの少し最近まで、円高こそ悪という風潮でした。円高になると、輸出企業にとっては大きな収入源です。海外で売り上げた利益が、円に換算すると大きく目減りしてたからです。

 ところが最近は、輸出企業の工場は海外に拠点を移してるので、円安によるメリットは以前ほどないとも言われ始めていますが、これは程度の問題で、輸出企業にとって円安は追い風であることは間違い無いです。トヨタが販売減少に苦しむ中、過去最高利益を出してきてることが何よりの証でしょう。企業の業績が良いと税収も増えるので、日本全体ではメリットも大きいです。

 

 消費者目線で視野を狭くすると、円安は製品の値上がりや、海外旅行に行きずらいなどマイナス面ばかり目がつきますが、日本全体で考えると必ずしもマイナスではなく、プラスの面も大きいのが円安です。

 

円安の原因

 2022年9月現在の円安の主となる原因は、日米金利であると言われています。日米金利差は一般的に、日米それぞれの「10年物国債」の金利差のことを言います。

 アメリカの金利は9月8日時点で「3.27%」、日本は「0.25%」です。10年物国債金利は、長期金利の代表的な金利として認知されていて、銀行での預金に対する利息にも大きく影響しています。

 つまり、ドルで預金しておくと黙っていても3%以上の利息がつくけど、日本の銀行に預金しておくとほぼつかないのと同じくらいです。感覚で言うと、100万円貯金した場合、1年で3万円の利息がつくのと、2500円の利息がつくという差が出るのです。当然、円を売ってドルを買う動きにつながっていきます。つまり円安になってくるのです。

 他にも、企業はドルで貿易する際、これからのさらなる円安に備えて、ドルを確保(今のうちに円を売ってドルを買う)することもするでしょうし、ヘッジファンドが円売りを仕掛けてきてることも要因ですが、主は日米の金利差であると言えるでしょう。

 

今後の展開

 円安がこれからも加速するのか、いつまで続くのかは、誰も分かりません。ただ、円安がおさまるのは、金利が下がることが条件になってきます。今の円安の原因がなくなることですね。

 そもそも、米金利が上がっているのは、インフレ退治のため金融引き締めをおこなっていることが主な原因です。インフレがおさまり、経済が冷え込んできたら、今度は経済を活性化させるために金融緩和(金利引き下げ)されるというマクロ経済の循環がきます。その時に円安が収まると思いますが、それがいつになるか誰にもわからないのが、難しいところです。

 

個人投資家はこの局面にどう立ち向かうか

 個人で長期積立をしてることを前提ですが、自分は「淡々とインデックス投資を続ける」ことが大事だと考えています。景気はサイクルなので、良い時もあれば悪い時もあります。ベストな買い時や売り時を見極めるのはプロでも困難なことですから、ここは無となり、淡々と積立ていくこと、決して狼狽して売らないことです。

 一方、個別株は難しいです。この局面でも上昇する銘柄は当然あります。ただ、全体相場が下げている中で、大きく買い越すことはよほど自分の分析に自信がない限り、危険が多い状況であると思います。

 また、一時的な下げ、つまり自分の資産が日に日に目減りしていくことに耐えれる強いハートを持っていなければなりません。自分のような仕事の傍ら投資している人間にとって、強いストレスになることは避けた方が無難ではあります。

 個別株の買いは、米インフレが収まり、米金利が中立金利2.5%近辺に落ちてきた頃が、比較的狙い目だと考えています。まだまだ先になるでしょうが。。

 

※投資は、あくまで自己責任でお願いいたします。