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米消費者物価指数(CPI)8月レビュー

 

「米消費者物価指数(CPI)8月」が発表されたので、レビューしたいと思います。

 


消費者物価指数(CPI)とは?

労働省が毎月発表している個人消費の物価動向を示す指標です。品目別の購買傾向の変動がわかり、インフレを測定する重要な手段となります。価格変動が激しい食品とエネルギーを除いたものが「コア」となります。

 

同様の指標に、「PCE(個人消費支出)物価指数」があります。こちらは、米商務省が毎月末に発表していて、個人消費全体から算出し、包括的な物価指標として用いられています。速報性と項目詳細ではCPI、包括的にはPCEを見るといった感じです。

 

現在、FRBはインフレを退治するための金融引き締め(金利上げ)を実施しているので、インフレ動向が全世界の市場関係者に注目されているのです。

 

8月のCPI(消費者物価指数)発表値

▼前年比 総合指数 +8.3 %(市場予想+8.1%、前月+8.5%)

    コア指数 +6.3%(市場予想+6.1%、前月+5.9%)

▼前月比 総合指数 +0.1 (市場予想-0.1%、前月+0.0%)

    コア指数 +0.6%(市場予想+0.3%、前月+0.3%)

 

対前年比で、総合指数・コア指数ともに市場予想を上回りました。市場予想はインフレ鎮静化を織り込んでいましたが、まさかの上昇サプライズです。

加えて、原油価格の下落で、対前年比の総合指数は前月の+8.5%よりは低くなりましたが、対前月比で言うと上昇しました。コア指数は、対前年比・対前月比ともに前月よりインフレ率が高まりました。これは、家賃やその他生活費が高くなっている影響です。

インフレは、人材不足による人件費急騰や、家賃やその他生活費によるものの影響が大きくなってきた形です。一度高くなった人件費や家賃はなかなか下がらないので、インフレが沈静化するには時間がかかるかもしれないといった捉え方ができると思います。

 

これに対して市場は、一層の金融引き締めを覚悟し、大きな下落となり、ほぼ全面安です。NASDAQは1日で-5.54%と、指数が1日でここまで下落するのは2020年初頭のコロナショック以来です。

2022年初頭から大きく下げてきた株式相場は、7月から8月にかけて楽観論による反発を見せていましたが、一気に振り落とされた形です。

これから先に、企業業績の悪化が出始めたらいよいよ不景気突入の可能性が高くなります。年後半も厳しさが増すことを覚悟させる1日でした。

 

まとめ

  • インフレ沈静化どころか上昇
  • FRBは厳しい金融引き締め想定から、株式市場は大きな下落。